ピージュの作り方【直線のピースを効率良く正確無比にカットするために】



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ピージュとは

ガラスを直線でカットする際に使う、ガラスでできた定規のようなもの。

直線が出ているガラスを桟木に当て、しっかりと固定する。その上にピージュをのせ、ガラスカッターをピージュに対して固定してピージュを動かす(ガラスカッターも動く)と、ピージュの大きさに応じて定まった大きさでガラスが正確にカットできる。

ピージュは、不要になった端材のガラス片や安価なフロートガラスなどで作られる。


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ピージュ


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ピージュを使ったガラスカット。

同じ幅でガラスを沢山カットする際に使われることが多い。カットするガラスの木に当てる面がきちんと直線になっていれば、型紙を使って印をつけてカットするより必ず正確に狂いなく、何枚も同じようにカットすることができる。

理想は、数ミリ刻みのピージュが予めすべて用意されていて、カットする際はピージュを選んで使うだけにすること。その都度ピージュを作っていると、それなりに手間が掛かる。

ピージュの大きさ – 理想と現実

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ケイムで組まれたステンドグラスの場合、最終的にはガラスはケイムで挟まれた状態になる訳だが、ケイムの中心の間の幅に対して、ガラスの幅、ピージュの幅は具体的にいくつになるのか。

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ケイム間の幅をXとすると、ケイムの芯が理論値では1.2mm(マツムラメタル製ケイムの場合)なので、ガラスはX-0.6mm*2=X-1.2mmになる。

その大きさにガラスをカットする場合のピージュの幅は、ガラスカッターの側面から刃までの幅が通常は2.5mmなので、それをガラスの長さから引いた値になる(日本における9割以上のシェアを占めるであろうTOYOやMITSUBOSHIのガラスカッターの場合)。

ピージュの幅(理論値) = X – 1.2 – 2.5 = X(ケイム間の幅) – 3.7

ただ、実際には理論値と違う部分があり、それを考慮して実情に即した大きさでピージュを作らなければならない。でなければ、せっかくピージュを使って正確にカットしたつもりでも、大きくなり過ぎて後からルーターで削る必要が出てきてしまう。

現実的な調整点

ケイムの芯の幅は、実際にはヒダヒダの部分も含めて1.5mm程度ある場合が多い(マツムラメタル製ケイムの場合。メーカーによって違う。)。

ケイムの芯は、中心ではなく左右にずれている(ケイムの形が歪んでいる)ことが良くある。

カットしたガラスは断面が斜めになるので、ガラスはカットした大きさより大きくなることが多い(小さくなることは決してない)。

ガラスのケイムに隠れる部分は、表面に見えない部分なので、多少は足らなくても問題ない。それがステンドグラスを組み上げることのスピードアップ=コストダウンにつながる、という考え方もできる。ケイム全体の幅大きければ大きいほど、それが顕著である。

ケイムとガラスが全く動かないようにガチガチに組んでしまうと、はんだ付けの際にケイムのズレを微調整できないので、多少はバッファが必要。そのために少々ガラスを小さくしたい。


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マツムラメタル製ケイム。左からFH5ハード、FH8ハード、FH12ハード。

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ケイムの歪み。左のケイムのガラスの「のみ込み部分」が芯の左右で違うのが分かる。

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ガラスを断面から見たところ。下側がカット面。大げさな例だが、実際にカットした幅よりかなり大きくなっているのが分かる。

これらを考慮すると、例えばFH5などの5mm幅のケイムを使う場合は、以下のようになる。

ピージュの幅(実際の値) = X – 1.5(ケイムの芯の幅) -2.5(ガラスカッター) – 0.5前後(バッファ) = X(ケイム間の幅) – 4.5前後

ピージュでのカットでピージュの大きさを間違ってカットしたガラスが大きくなってしまうと、そのガラスの一辺をすべて削る必要が出てきてしまう。それを避ける意味でも、バッファ(余裕)をある程度確保してピージュを作成した方が良い。そのバッファは0.5mm程度が適切だろう。この「程度」の部分を具体的にいくつにするかは、個々人の好みと状況判断によって決める。

実際にピージュを作る際には、定規で長さを図ってガラスをカットする。その際に最終的なピージュの幅より少しだけ長くカットしておいて、そこから理想となる幅までルーターで削って調整すればよい。

幅はデジタルノギス
を使えば簡単・正確に計測ができる。こうしてピージュを作成すれば、試し切りしてピージュが正確かを確かめる必要は殆どない。


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ピージュをノギスで計測したところ。このケースでは、ケイム間が48mmのガラスカットで使うピージュを、約43.5mmで作っている。

サイズの微調整

ピージュを作ってそれを使って沢山カットしてみるとわかるが、ほんの少しだけ大きく・小さくカットしたい場面が出てくる。その場合のやり方。

多少幅の狭い・広いメーカーのガラスカッターを使う(NIKKEN、BOHLEなど)。そうすることにより僅かに小さく・大きくカットすることができる。

ピージュにテープを巻いたり、紙を挟んだりして使う。

ピージュの手前を奥で微妙に幅を変え、使い分ける。

まとめ

ピージュを使うと狙った幅で正確に楽に早くガラスをカットすることができる。

ピージュの幅をきちんと正確になるように作成することがとても大事。それは、計算式とノギスでの確認で簡単にできる。

一般的なピージュのサイズは、ケイム間の幅 – 4.5mm程度である。

ピージュ+アルファのテクニックで、ガラスのサイズを微調整することも可能。

以上。

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