ルートヴィッヒ・シャフラット【ステンドグラスデザイン】


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ルードヴィッヒ・シャフラット

ルードヴィッヒ・シャフラット(Ludwig Schaffrath 1924-2011)は、ドイツ人のステンドグラス作家で、シュライターらと並んで現代ステンドグラスの第一人者として知られている。

日本でも、ステンドグラス関係者の間では馴染みが深く、JR大宮駅のステンドグラス、「光と水と生命」(1982)が、日本における代表作として知られている(※ただ、今現在の大宮駅では、工事中!?か何かで全貌が綺麗に見られるようにはなっていない。非常に残念ではある…)。

かなりアクの強い人物で、周囲との軋轢が多かったような話を聞くこともあるが、彼が残した作品の良し悪しとは直接関係はない、いや、そんな、強烈な個性があるからこそ、高圧力で、見る者の琴線に触れる作品を残せたのかもしれない。

同時期のドイツのステンドグラス作家には、ヨハネス・シュライターやゲオルグ・マイスターマンがいるが、シャフラットのステンドは、より日本人向け、と言えるかもしれない。宗教的・哲学的なシュライター、複雑な線を多用するマイスターマンとは違い、シャフラットの作るステンドグラスは、正円と直線、自由曲線を組み合わせた抽象的で快活なデザインが特徴だからだ。


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彼の創作したステンドグラスを見て思うこと、それは、発想が自由で勢いがあるということ。それでいて、デザイン上のポイントはキッチリ抑えている。粗密があり、圧力がある。そして、内から湧き出る何かを、変に上手くまとめようとせず、綺麗に収めようとしない姿勢のようなものが見て取れる。

そこに、幾何学的な秩序と、自由曲線の無秩序が上手く同居し、混然一体となった抽象的でキラリと光る何かを感じることができる。

Ludwig Schaffrath – Wikipedia(ドイツ語)

彼の作品が少しだけ見られる数少ない動画。シャフラットに関しては、あまり良い動画がなかった…。

シャフラットのステンドグラス

Webで調べると、彼がいかに膨大な量のステンドグラスを残したのかが分かる。そんな中から、何点かをピックアップして以下にご紹介する。

殆どは、教会や修道院などの宗教施設に入れられたステンドグラスだと思われる。


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「死者へ捧げるレクイエム」をテーマとして作られた一連の作品群。


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第二次世界大戦では、多くの教会や修道院が破壊された。その残った窓枠を利用して1962~1965年に製作されたこれらの作品は、主に透明のアンティークガラスで構成されている。


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ガラスの透明感とケイムの黒のコントラストを最大限に活かした、非常にメッセージ性の強いステンドグラスである。線の粗密や強弱も素晴らしい。


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彼が使うガラスは全てアンティークで、ランバーツ社のものだと思われる。


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膨大な量の丸いプリズムを使った大きなステンドグラス。プリズムの配置、自由曲線の入れ方の塩梅が、素晴らしいの一言。彼の、崩しの美学を感じ取ることもできる。


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青いガラスのグラデーションが素敵な一枚。


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このようなステンドグラスを見ると、やはり人は細かな集合体(この場合のプリズム群)に魅せられる性質があるのだなと強く実感してしまう。

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線自体はシンプルな一定のパターンの組み合わせに過ぎないが、それをそれで終わらせないガラス使いが素晴らしい。そして、それを十二分に活かす、巨大な建物。決して日本ではお目に掛かれない種類のステンド。


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そうめん流しのようなこのデザインを、彼はある時期、大量に用いている…。

彼のステンドグラスは、時期や作品毎に、全く違うアプローチ・コンセプトで制作されたと思われるものが多い。Webで調べるだけだと資料が少ないので、時系列で彼の作風がどう移り変わったのかを検証することまでは出来なかったが、いずれにせよ、彼が豊かなイマジネーションの持ち主であることは大いに計り知れる。

同じような、幾何学的・抽象的なステンドを良しとする自分にとっては、シャフラットは、大いに勉強・参考になる作家であることは間違いのないところだ。

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