ヨハン・トルン・プリッカーのステンドグラス【ステンドグラスデザイン】


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ヨハン・トルン・プリッカー

Johan Thorn Prikker(ヨハン・トルン・プリッカー 1868-1932)は、19世紀から20世紀にかけて活動したアーティストで、専らオランダ象徴派の画家として知られている。母国と、後に移り住んだドイツに、さまざまな種類の優れた作品を残している。

オランダで画家の家に生まれ、幼少期からアートに慣れ親しんできた彼は、絵画以外にも、彫刻やデザインの分野でも作品を残したマルチなアーティストであり、ステンドグラスの分野でも良い作品を幾つか残している。

この、プリッカーの描いた作品は油絵なのだが、曲線が綺麗でデザイン的である。抽象化のセンスも素晴らしい。

黒いハッキリとした曲線はケイムのラインの様で、ステンドグラスのデザインを任せたら良いモノを描きそうだ、と思わせる何かがはっきりと感じ取れる。

ちなみに、彼の息子は有名なバイクレーサーとして知られているそうだ。

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The Bride(花嫁)- 1893年

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こちらは、彼のデザインしたポスター。アールヌーボー調でありながら、どこか洗練された線と構図。

このようなちょっとしたポスターにも、ステンドグラスに通ずるものがある。

YouTubeの映像。アンティークガラスのクリスタルラインが分かるぐらいの良い映像。7年前に公開され、再生回数がたったこれだけ、というのはさみしいところだが、まあ、日本だけでなく世界的にもそんなに有名な人物ではないようである。

Johan Thorn Prikker – Wikipedia(英語)

ヨハン・トルン・プリッカーのステンドグラス

彼が残した幾つかのステンドグラス作品の中から、何点かピックアップして以下にご紹介する。

なお、おそらく、ステンドグラスを制作したのは別の職人で、彼はデザインを描いただけだろう。そこはフランク・ロイド・ライトやシュライターと同じだ。

細かく調べた訳ではないが、全て教会に入れられた大きなステンドグラスの様である。


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基本的に彼の画は、強い粗密がある。そして密が多めで圧力がある。色彩感覚も素晴らしい。


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一番好きな作品。元のモチーフは何なのだろうか。デザイン、抽象化(ガラスの割り)のセンスが素晴らしい。どこか、SFっぽさ、近未来っぽさがあるも良い。

この写真はガラスの色が綺麗に出ていないが、実物はもっと綺麗だと思われる。


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前の2つもそうだが、これも、教会にあるものだから、きっと何か聖書と関連性があるモチーフなのだろう…。


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モノクロとカラーの共存。これを見ているだけで、色々とイマジネーションが湧いてくる、とても良いステンド


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これもなかなかの圧力。ちょっとクドイ気もするが、教会ならありかもしれない。


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アーティステックで絵画的なデザイン。画家兼デザイナーの成せる技。


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ライトチックな直線オンリーデザイン。色使いが良い。


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こちらも直線オンリー。線、色使い、構図、全てにセンスを感じる。

ステンドグラスで食べている人の中でも、ヨハン・トルン・プリッカーの名を知っている人はほぼいないだろう。それくらいマイナーな人物だが、自分の中ではフランク・ロイド・ライトに次いで好きな作家である。

他にも、ステンドグラスの良い作品を残している無名な作家を何人か知っているので、また機会があったらご紹介したいと思う。


“ヨハン・トルン・プリッカーのステンドグラス【ステンドグラスデザイン】” への3件のフィードバック

  1. 良いですね~
    オイラが知っているクラシックな図柄とは全くの別物です。
    幾何学模様と生物の融合には独特の緊張感が生まれています。
    それを和らげているのは色彩の妙か。

    • こんばんは~

       

      プリッカーは大好きです。日本では無名ですが、海外ではドイツ現代ステンドグラスの祖なんて言われたりもしています。

       

      色彩は、単純ではなく、一枚のガラスの中に、濃淡があります。これは、絵付けしてるんですよね。指で濃淡を描いて、焼き付けているんです。そうやって深みを出すことによって、独特の作品に仕上がってます。

       

      この手法、いつか真似してみたいですね。。

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