フランシスW.リトル邸①デザイン【フランク・ロイド・ライト】



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フランク・ロイド・ライトとステンドグラス

フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright)は、世界的に有名なアメリカ人の建築家である。有機的建築という、自然との調和を重んじるスタイルを提唱し、数々の名建築物を生み出した。

一方で、妻と6人の子供を残して施主の奥さんと駆け落ちしたり、凶悪な殺人事件に巻き込まれたりと、波乱万丈の人生を送った人物でもある。


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ライト晩年の設計、カウフマン邸(落水壮)。世界で最も美しい住宅とも言われている。

日本にも馴染みが深く、旧帝国ホテルの設計者としても知られている。

そんな彼は、キャリアの初期に幾つかの有名なステンドグラスのデザインを行っている。彼自身、ステンドグラスに特別な思い入れがあった訳ではないようだが、その独特の洗練されたデザインから、「フランク・ロイド・ライト風」のステンドグラスというジャンルができるほど、ステンドグラス業界では良く知られた存在だ。

かく言う自分も、ライトのステンドグラスに魅せられた一人である。

今回は彼の代表的な作品の中から一つをピックアップして、その意匠を取り入れたステンドグラスを実際にデザインしてみる。

フランシス W.リトル邸のステンドグラス

ライトのステンドグラスについての詳細は、海外の高価な本を買わなければ知ることはできない。だが、このご時世、表面的な情報であれば、ネットで容易に手に入る。

今回は、1912年にデザインされた、フランシス W.リトル邸という建物のステンドグラスをターゲットとする。

冒頭の写真のステンドが実物の一部であるが、この建物に入っているステンドは、ラインはすべて直線で、水平垂直と斜め45度のラインしか使われていない。ガラスはクリアのフロートと白のオパレッセント(乳白色)がメインで、少しだけ赤いガラスが使われている。

白い直角二等辺三角形が印象的な、クールなステンドだ。

YouTubeに映像があった。だがこれは、実物ではなく、 ニューヨークのメトロポリタン美術館での展示のときのもののようだ。

デザイン

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デザインの工程を文章化するのは難しい。

ネットで拾った幾つかのリトル邸の画像を元に、Illustratorでデザインして出来た結果がこれだ。

本当はこんなにコンパクトではないし、もっと粗密があるのだが、実際に制作することを考え、その中でリトル邸の要素を取り込んで凝縮した結果、こうなった。

ややくどいデザインな気はするが、あまり簡単過ぎても面白くないので、これでいってみる。

もちろん、デザインを書く過程で、紆余曲折あった上での結果がこれなのだが、その過程を表現することは難しい。

ちなみに、もし3連の窓にするなら、という想定だと、下のようになる。

ライトはステンドグラスをあくまで建物の装飾の一部とみなしているようで、借景(透けて見える景色をステンドグラスの一要素として取り入れる)を考えたデザインが多い。大きなスペースがどこかに空いているのだ。

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製図

デザイン画を元に、実寸(と言ってもIllustrator上での話)で製図を行う。これがそのまま、制作の際の型紙と下紙になる。

サイズは、W:250、H741。デザインの割に小さい。ガラスのピース数は176。

ケイムは、外枠がFH12のハードで、中はFH5のソフトのみを使用。

線の中心の太い線がケイムの芯幅で、今回は1.5mmに設定。実際の型紙もこの通り1.5mm抜いてカットする。

バックのグレーの線は、ケイムの中心を合わせる際の基準線として使う。

ガラス

実際のリトル邸に使われたガラスは、クリア部分はフロート、それ以外は、時代的にココモかウィズマークのガラスだと思われる。

ただ、今回はガラスまで忠実に真似ることはせず、以下のガラスを使う。


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ショット アーティスタ0189(クリア)

フロートだとさすがに安っぽくなるかなと思い、いわゆるニューアンティークのクリアをチョイス。3mm厚のはずだが、実際には2.5mmもないくらい。薄い。


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ココモ KO120

あまりに真っ白で不透明だと面白くないので、半透けの白。


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ブルズアイ BU1122

出番が少ないだけに、最も鮮やかなトランスペアレントの赤を。

次回、実際の制作に入る。ガラスカット~組み終わりくらいまでいければ。

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